ケンカした彼と連絡がつかず、思い切って自宅を訪ねると新たな彼の一面を知った話
ユリナの視点
会社の同僚と秘密で付き合い始めた私
ユリナは、デスクから顔を上げ、さりげなくサトシの方を見やった。彼の端正な横顔に、ふと息をのむ。鋭い眼差しで画面を見つめる姿は、いつ見ても魅力的だった。
「送ってもらったデータ、計算式ズレてたぞ」サトシの声が執務室に響く。ユリナは慌てて画面を確認する。
「これだなこれ、前に俺が通したやつ」サトシが立ち上がり、ユリナの隣に来た。彼の体温を感じ、ユリナは動揺を隠すのに必死だった。
筋肉質な腕が伸び、マウスを操作する。「集めてるデータは悪くないんだから」サトシの声が優しく耳元で囁いた。ユリナは思わず身震いした。
「ありがとうございます」ユリナは小さく呟いた。
サトシのLINEが届いた。「今日お前んち行くね」ユリナは頬が熱くなるのを感じながら、さりげなく返信した。
付き合って2ヶ月が経ち…
時は流れ、付き合って2ヶ月が経った。会社での態度は少しずつ変化していた。
仕事のミスを指摘され、「すみません」ユリナは頭を下げた。その言い方が気に入らなかったのか、サトシの眉間にしわが寄る。
サトシのLINEが届く。「なんだよその態度は、変な態度とんな、バカ」ユリナは胸が痛んだ。最近、サトシの態度が冷たくなっているのを感じていた。そういえばサトシは自分の家に、いつになってもユリナを招いてくれなかった。
二人きりになったとき、サトシが近づいてきた。「今日金曜日だから…」彼の声は低く、セクシーだった。しかし、ユリナの心は乱れていた。
「こないで」ユリナは小さく言った。
サトシの表情が一瞬凍りついた。「勝手にしろ」彼は冷たく言い放ち、踵を返した。
週明け、心配になり訪ねたサトシの自宅で…
週が明け、サトシの姿が見当たらない。連絡も取れず、ユリナは不安に駆られた。仕事が終わると、思い切ってサトシの自宅を訪ねた。
ドアを開けると、仕事のできるサトシからは想像もつかない、ゴミで散らかった部屋が目に飛び込んできた。思わず眉をひそめながら中を覗き込むと、リビングに倒れているサトシの姿があった。ユリナは息を呑んだ。
「ゾンビじゃないよね…」ユリナは恐る恐る近づいた。
サトシが微かに目を開けた。「生きてると思う」彼の声は弱々しかった。
ケンカはしばし休戦
サトシをなんとか抱き起こしてベッドに寝かせると、病人向けの食事やドリンクを用意し、解熱剤も飲ませてやった。ご飯を食べたサトシはだいぶ顔色が良くなった。
「手つないで」サトシが手を伸ばす。ユリナは迷わず握り返した。
「サトシは自分のおうちにいるとかわいいキャラになるね」ユリナは思わず笑みがこぼれた。
「そんなんじゃねぇ」サトシは赤面しながら言い返す。その表情が愛おしくて、ユリナは胸が熱くなった。
看病して迎えた翌朝
一晩中看病し、朝を迎えた。ユリナはサトシの顔を覗き込んだ。よく眠っている。
寝ているのをそっとしていたら、起き出したサトシが後ろからハグしてきた。
「何…急に…」ユリナは戸惑いを隠せなかった。
突然、サトシがユリナに唇を寄せた。「もう離さない」低い声でそう言うと、キスをする。
ユリナは驚いたが、抵抗はしなかった。サトシの腕の中で、彼の鼓動を感じる。筋肉質な胸板に頬を寄せると、ユリナは安心感に包まれた。
サトシの唇がユリナの首筋に触れる。「もう…」ユリナは小さく呟いた。
「嫌だちょっと…」ユリナは言葉とは裏腹に、サトシの背中に手を回した。
サトシの手がユリナの体を撫で回す。そのタッチに、ユリナは身震いした。
二人の唇がまた重なる。熱い吐息が交じり合い、部屋の温度が上がっていく。サトシの筋肉質な背中を撫でながら、ユリナは彼の体の隅々まで味わった。
汗ばんだ肌が触れ合う。サトシの力強い腕がユリナを抱き寄せる。ユリナはサトシの胸板に顔を埋め、彼の匂いを深く吸い込んだ。
サトシの手がユリナの体を撫で回す。そのタッチに、ユリナは身震いした。
二人の体が一つになる瞬間、ユリナは小さく悲鳴を上げた。サトシの顔が歪む。「大丈夫か?」彼の声には心配が滲んでいた。ユリナはゆっくりと頷いた。
サトシの動きが徐々に激しくなる。ユリナは彼の肩に爪を立て、快感に身を任せた。サトシの額には汗が滲み、筋肉が張り詰めている。その姿に、ユリナは目が離せなくなった。
「今日本当にやばい」サトシの声が震えていた。
二人の喘ぎ声が部屋に響く。サトシの腕の筋肉が盛り上がり、その力強さにユリナは身を委ねた。波が押し寄せるように快感が高まっていく。
絶頂を迎えた瞬間、ユリナはサトシの名前を叫んだ。サトシも同時に達し、ユリナを強く抱きしめた。
新たな朝の始まり
しばらくの間、二人は抱き合ったまま動かなかった。やがてサトシが顔を上げ、優しくユリナにキスをした。
「嫌だ、くすぐったい…」ユリナは笑いながら言った。サトシは黙ったまま、ただユリナを抱きしめていた。
朝日が二人を包み込む。ユリナはサトシの胸に耳を当て、彼の鼓動を聞いていた。この瞬間が永遠に続けばいいのに、と思った。
サトシが優しくユリナの髪を撫でる。「ごめん、今まで。自宅こんなだから、恥ずかしかったんだ…」彼の声は甘く、可愛かった。ユリナは黙ってうなずいた。
二人は再び唇を重ねた。新たな朝の始まりと共に、二人の新しい関係も始まろうとしていた。
サトシの視点
会社の同僚と秘密で付き合い始めた俺
サトシは、デスクから顔を上げ、ユリナの方を見やった。彼女の整った眉、小さな鼻、そして魅力的な唇。いつ見ても魅力的だった。ユリナとは秘密の社内恋愛中だ。こんな素敵な子が彼女だなんて、誰かに言ってやりたい。でも職場のルールとして、社内恋愛は禁止ということになっている。
「送ってもらったデータ、計算式ズレてたぞ」サトシはユリナに向かって言った。彼女の慌てたような表情を見て、思わず胸が高鳴る。
「これだなこれ、前に俺が通したやつ」ユリナの隣に立つ。彼女の柔らかな髪の香りが胸を締め付ける。
「集めてるデータは悪くないんだから」サトシは優しく言葉をかけた。
「ありがとうございます」そう言ったユリナの頬が僅かに赤みを帯びる。彼女の声は柔らかく、サトシの耳に甘く響いた。
サトシは頬が緩むのを必死で抑えた。ユリナの前でかっこいいところを見せられたことに、密かな喜びを感じていた。
席に戻ったサトシはユリナにLINEを送った。
「今日お前んち行くね」
こっそりユリナのほうを見やる。ユリナの大きな瞳が手元の携帯に落ち、いつもの愛らしい笑顔が覗く。努めて平静を装いながら、誰にもバレないようにそっと視線を交錯させる、そんな恋愛も刺激的だった。
付き合って2ヶ月が経ち…
時は流れ、付き合って2ヶ月が経った。2人の関係は少しずつ変化していた。
仕事のミスを指摘され、「すみません」ユリナが少しだけ頭を下げる。不貞腐れた返事に腹が立った。何が気に入らないんだ。俺の家にユリナを招かないことか。だからといってその不満を仕事の場で出すのは筋違いだろう。
勢いで、LINEでメッセージを送った。
「なんだよその態度は、変な態度とんな、バカ」
送信した後、サトシは自分の言葉が強すぎたとすぐに後悔した。ユリナの傷ついた表情が目に浮かび、胸が痛んだ。
ユリナが1人のところを見計らって、サトシはユリナに声をかけた。LINEメッセージについて謝ろうかと迷ったが、先に出てきたのは違う言葉だった。
「今日金曜日だから…」
ユリナの返事は予想外のものだった。「こないで」
その言葉に、サトシは思わず苛立ちを感じた。「勝手にしろ」と言い返してしまった。
体調を崩したサトシ
その晩、そのまま会社で徹夜で仕事をした。ユリナへの怒りか、自分への怒りか、深夜の作業は捗った。早朝、電車が走り始める時間になったことを見計らって帰宅したのだが…。
気付いたときにはもう夜。リビングに、汗にまみれながら横たわっていた。頭痛と関節の痛みで身動きが取れない。
朦朧としながら、ユリナにLINEで助けを求めた。
(待てよ。ユリナに来てもらう前に、この散らかった部屋をなんとか片付けないと…)
でもこの状況でどうやって、と考えたところで、また意識が途切れた。
次に起きたときにはまた夜だった。今が何曜日なのかもわからない。なんとか食事と思うものの、家に何もなかった。せめて薬を飲まなきゃと思ったが家にない。
ユリナに助けを求めたことを思い出し、なんとかスマートフォンを探し出し、LINEを確認する。しかしユリナからの返事がないどころか、既読にもなっていないことを知り、愕然とする。同時に週末のやり取りを思い出した。まさかLINEをブロックしているのだろうか。いつも優しいユリナだが、いざケンカしたときの怒りは激しかった。「別れ」という言葉が頭をよぎる。
(こんなときに…)
こないだのやり取りを悔やみながらも、また意識が遠のいていった。
突然サトシの自宅を訪れたユリナ
突然のノックの音に目を覚めた。誰だろう。管理人だろうか、宅配便だろうか。
「どうぞ…」と出した声の弱々しさに驚く。聞こえなかったのではないか。
そのままノックの主は玄関を開け、部屋に入ってくるようだった。俺ったら、鍵も締めていなかったのか。
「ゾンビじゃないよね…」震える声。……ユリナだった。
サトシは力なく目を開け、かすれた声で答えた。「生きてると思う」
ユリナはゆっくりとサトシに近づき、彼の額に手を当てた。「ひどい熱…」
眉をひそめるユリナ。表情には怒りはなく、ただただ心配が見てとれた。
看病されて迎えた翌朝
その夜、ユリナはサトシのそばで看病を続けてくれた。用意された病人向けの食事になんとか手をつけ、解熱剤を飲んだサトシはまた眠りに落ちた。
それから何時間経っただろうか。ユリナが冷たい濡れタオルで額を吹いてくれるのに気づき、目を覚ましたサトシは心がじわっと暖かくなる。最近のサトシの胸の一部を占めていた、別れを告げられるのではという不安が、どうやら勘違いだったことへの安堵だった。
ユリナに弱々しく手を伸ばし、「手つないで」とお願いした。
ユリナは躊躇なくサトシの手を握り、優しく微笑んだ。
ユリナは微笑み返した。「サトシは自分ちにいるとかわいいキャラになるね」
「そんなんじゃねぇ」サトシは恥ずかしそうに顔を背けた。
・ ・ ・
朝が来て、サトシが目を覚ますと、熱は下がっていた。ユリナは背中を向け、マンガを読んでいるようだった。お世辞にも女性向けとはいえない青年マンガ。それでもユリナはすでに3巻目に入っていた。
あたりを見渡すと、ゴミ屋敷のようだった自宅が掃除され、少しだけ秩序を取り戻している。
(カッコつけてたの、完全にバレちゃったな…)
ユリナに釣り合う彼氏でありたいと仕事を頑張り、カッコつけてた俺。でも本当は、ゴミ屋敷みたいな家でゲームやマンガばかりの、だらしない俺。そんな俺のことでも、ユリナは優しく理解しようとしてくれるんだな。
サトシは胸が熱くなり、思わず後ろからユリナに抱きついた。
「何…急に…」ユリナは戸惑いを隠せなかった。
「もう離さない」低い声でそう言うと、キスをする。
サトシは、ユリナを抱きしめながら、彼女の柔らかな髪の香りに包まれていた。彼の心臓は激しく鼓動し、ユリナの温もりが全身に広がっていくのを感じた。
サトシの唇がユリナの首筋に触れる。「もう…」ユリナは小さく呟いた。
「嫌だちょっと…」ユリナは言葉とは裏腹に、サトシの背中に手を回した。ユリナの瞳が潤み、サトシを見つめ返す。その表情に、サトシは胸が締め付けられるような感覚を覚えた。
ユリナの唇が微かに開く。サトシは思わずその唇に自分の唇を重ねた。柔らかく、甘い感触。キスを深めながら、サトシはユリナの背中を優しく撫でた。
二人の呼吸が徐々に荒くなる。サトシは、ユリナの首筋に唇を這わせた。「あっ…」ユリナの小さな嬌声が漏れる。その声に、サトシの理性が揺らいだ。
サトシの手がユリナの体を撫で回す。彼女の肌の滑らかさに、サトシは陶酔した。ユリナの胸の起伏が激しくなり、頬が薄紅色に染まっていく。
二人の体が徐々に重なっていく。サトシは、ユリナの美しい曲線を目に焼き付けた。彼女の肌は真珠のように輝いていた。
二人の体が一つになった瞬間、ユリナは小さく悲鳴を上げた。サトシは動きを止め、彼女の様子を伺った。「大丈夫か?」
ユリナの顔には痛みの色が浮かんでいたが、すぐにそれは和らいでいった。ユリナはゆっくりと頷いた。
サトシは、ゆっくりとリズムを刻み始めた。ユリナの吐息が熱くなり、彼女の指がサトシの背中に食い込む。その感覚に、サトシは更に興奮を覚えた。
汗が二人の体を覆い、部屋に甘い香りが漂う。サトシはユリナの首筋に顔を埋め、彼女の香りを深く吸い込んだ。
「今日本当にやばい」サトシの声が震えた。ユリナは答える代わりに、サトシをさらに強く抱きしめた。
二人の動きが徐々に激しくなる。サトシは、ユリナの表情の変化を一つ一つ目に焼き付けた。彼女の頬の紅潮、半開きの唇、蕩けるような瞳。それらすべてが、サトシの心を鷲掴みにした。
「サトシ…!」ユリナの声が高くなる。サトシは、彼女の体が弓なりに反るのを感じた。その瞬間、サトシも限界を迎えた。
二人は同時に絶頂に達し、互いを強く抱きしめた。
新たな朝の始まり
しばらくの間、二人は動かずにいた。ただ、互いの鼓動と呼吸を感じ合っていた。
やがて、サトシがユリナの髪を優しく撫でるとキスをした。
「嫌だ、くすぐったい…」ユリナが笑いながら言った。
サトシは黙ったまま、ただユリナを抱きしめていた。窓から差し込む朝日が、二人を優しく包み込む。
「ごめんな」サトシは突然言った。「今まで」
ユリナが黙ってサトシの胸に顔を埋めた。彼女の温もりが、サトシの心を溶かしていく。
「家に招かなくて恥ずかしかったんだ…」
ユリナは顔を上げ、サトシを見つめた。黙って頷く彼女の目には、優しさと理解が溢れていた。
「そのままのサトシが好き」彼女はそう言って、サトシの唇にキスをした。
その瞬間、サトシは全てを理解した。彼の不安、恐れ、それらはすべて無意味だったのだと。ユリナは、最初から彼のすべてを受け入れようとしてくれていた。
朝日が徐々に強くなり、新しい一日の始まりを告げる。サトシとユリナは、互いを抱きしめたまま、その光に包まれていた。二人の新しい章が、今ここから始まろうとしていた。