10. 夜の闇に包まれて

2024/07/31
ピンク式部
ピンク式部
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夜の闇に包まれて

 タカシの手が服の上からナツの体を愛撫し始めた。

「ん…」ナツは小さな声を漏らす。

 タカシの手がナツの胸に膨らむ双丘を優しく撫で、そして腰へと移動する。ふと思いついた悪戯を試すように、服の上からナツの秘所に触れた。

「あっ…っ」思わず声が出てしまう。

「感じてるナツ、可愛いよ…」タカシの囁きに、ナツの頬が熱くなる。

「だめ…タカシ…」

 タカシは耳元で囁き続ける。「ナツ、君が好きだ。ずっと好きだった」

 その言葉に、ナツの理性が崩れ去っていく。

「私も…タカシのこと、好きだった」ナツは吐息混じりに告白した。

 タカシの指がブラウスの中に潜り込み、ブラジャーの上からナツの双丘を愛で始める。それに抗おうと、ナツの手が一度はタカシの手を抑える。

「ほんとにだめ…タカシ…」言葉とは裏腹に、ナツの体は快感を求めていた。一度止まったタカシの手が、ナツの抵抗が弱いと見てさらに動きを再開する。タカシの指がブラジャーの中に潜り込み、右丘の上で既に固くなっている桃色の実をそっと撫でた。

「ああっ…ほんとに…っ…だめっ…」

「ナツの乳首、固くなってる。エロくてほんと素敵」

 さらに大胆になったタカシの指がスカートの中に潜り込み、下着の上からナツの秘所を撫で始める。

「ああっ…」ナツは背中を反らせ、ついに空しい抵抗をやめ、快感に身を任せた。

「ナツ、こんなにびしょびしょだよ。感じてるんだね」タカシの声が耳元で響く。

「うん…感じてる…」ナツは素直に答えた。

 タカシの指が下着をずらし、直接ナツの秘所に触れる。花びらに近づくかのようにそろそろと移動した指が、踊るように動きを翻し、鼠径部を撫でた。

「お願い……じらさないでっ…」

「それはつまり、どこを触ってほしいってこと?」タカシの笑みを含んだ低い声がナツの耳にささやく。

「意地悪っ…」

「言ってくれるとわからないなぁ」

「…クリトリス…触ってください」そうナツが哀願するや否や、タカシの指がそれに応え、秘所に息づく蕾をそっと撫でた。

「んっ!」ナツは大きな声を抑えきれず、タカシの肩に顔を埋めた。

「ナツ、可愛いよ。もっと感じていいんだよ」タカシの言葉に、ナツの体はさらに熱くなっていく。タカシの指が蕾を刺激するたび、ナツの体は電気が走ったように震えた。タカシの右指が、それを増幅するエネルギーを送り続けるかのように、一定のリズムで蕾を刺激し続ける。

 一方でタカシの左手は、耳から背中、肩から手、そして胸へと移動しながらナツの肌をそっと愛撫した。それはさながら、ナツのまだ知らぬ快感の泉を探す旅を続けるかのようだった。

 ナツの内側の欲動の波が寄せては返し、寄せては返しながら大きくなり、爆発しそうになる。

「あっ!だめ…イっちゃう…」ナツは息を荒げながら訴える。

「いいよ、ナツ。イって」タカシは囁きながら一定のリズムで蕾を刺激し続ける。

「ん……らめ……イくっ…!…イっちゃう……んっ」声にならない声と共に、ナツは絶頂を迎えた。

「はあっ…はあっ…」ナツは荒い息を繰り返しながら、タカシに身を預けた。

 タカシは優しくナツを抱きしめ、額にキスをするとかすれた声で言った。「車に戻ろう」

 タカシの欲望に満ちた瞳に魅入られ、何が待っているかを予期しつつも、ナツはかすかに頷いた。

車のなかで

 タカシに促され、ナツは車の後部座席に乗り込んだ。

 2人で並んで座る後部座席は、さっきよりも狭く感じる。まだ醒めやらぬ快感の予熱が、車内に充満しているかのようだ。

「ナツ…我慢できない。ここでしよう」タカシが車内灯を消し、ナツを見つめる。

「え…車で…?」

「そう。大丈夫、後ろの席のガラスはミラーフィルム貼ってあるから、外からは見えないんだ」タカシはそう言うとナツの腰に手を回し、唇を近づける。

 ナツはためらいながらも、目を閉じてキスに応えた。タカシの手慣れた様子に、キスの間もも、過去にも経験があるのかな、それならそれで上手にリードしてくれるに違いないと、愚にもつかぬことが脳裏を去来する。舌をねっとりと絡め合うキスの後、ナツは答えた。

「いいよ…服脱がずになら…」

「いいね。それはそれで興奮する」

 タカシが改めて唇を重ねながら、服の上からナツの体を愛撫し始める。一度静まりつつあった快感が、ナツの体内でうごめき始めた。

 しばらくするとタカシが手を止め、静かに呼びかけた。

「次はナツにリードしてもらいたいな。やってみない?」

「え? 私が?」

「そう。ナツの望むように。さあ、これからどうする?」

 その言葉に、ナツはアテが外れたような戸惑いを覚えた。今も、タカシのリードを当てにしていた自分。

 しかしタカシの言葉に、何か火がついたような気がした。タカシの目に、欲望の炎が燃えているのが見える。